柏木市民センターで昨年4回に渡り「へくり沢」についての講座が開かれましたが、その集大成として「へくり沢」のジオラマ模型を作ります。
※「へくり沢」とは昔、国見の辺りを水源とし八幡町を縦断する深い沢のことを言い、現在は広瀬川へとそそぐ暗渠となっている。この深い沢のため仙台藩開府当初は町の中心部と八幡方面が寸断され土橋ができるまではかなりの遠回りを強いられていた。
昨年の講座はたくさんの方が出席しましたが、ジオラマ作業は約8人と有志の方々で行われました。
我々の他には柏木市民センターの館長さん等2人、そして今回指導してくださるのが仙台マップの安斎信行先生です。
ジオラマ作製は4回に分けて1月の25日からほぼ毎週土曜日の午後2時間余りずつ行われました。
初日は安斎先生の方から作業について簡単な説明をいただきましたが、何せ私も含めみんな初めての体験なのでなかなかイメージを浮かべるのが難しいようでした。
昭和33年の地図をもとに作るわけですが、その地図を800mm四方厚さ3mmのスチレンボードに貼り合わせ、同じものを60枚くらい用意します。(もとの地図は25枚で、そこから60の標高を取り出す)
それらのボードを一定の間隔の等高線で切っていきます。それぞれのカットしたパーツを重ねていき完成させるのですが、これが大変なようです。
<模型製作仕様書>より
8、操作手順
1、等高線のトレース
高い方から重ねる地図
1図 140m、120m、100m、80m、60m、
2図 138m、118m、98m、78m、58m、
3図 136m、116m、96m、76m、56m、
4図 134m、114m、94m、74m、54m、
5図 132m、112m、92m、72m、52m、
6図 130m、110m、90m、70m、
7図 128m、108m、88m、68m、
8図 126m、106m、86m、66m、
9図 124m、104m、84m、64m、
10図122m、102m、82m、62m、
低い方から重ねる地図
11図 22m、12図 24m、13図 26m、14図 28m、15図 30m、
16図 32m、17図 34m、18図 36m、19図 38m、20図 40m、
21図 42m、22図 44m、23図 46m、24図 48m、25図 50m
意味の分からない数字が並んでいますが、10図から順に上に見ていくと122、124、126…と2mずつ増えているのがおわかりになると思います。そして高い方から重ねる地図では4~5つの標高を切り出していきます。
(今はわかっているから言えますが、最初は説明を聞いてもちんぷんかんぷんでした)
簡単にイメージを説明しますと、例えば富士山のジオラマを作ろうとすれば裾野の方からカットしたパーツを順に重ねていけばできると思うのですが、材料を節約するために1枚のボードから幾つかの等高線のパーツを取り出します。つまり裾野の部分をとるボードで上部分もとることになり、少ない枚数でより多くのパーツを切り出しそれらを重ねると富士山の内部が空洞になるのです。
これは事前に作成した簡易的縮小版。
一通り説明を受けたあと早速作業開始。各ボードには切るためのガイドライン(指定の等高線に沿って少し太めの実線)が引いてありますが、たくさんある等高線の中で密集してるところでは多少見づらい感はあります。
ペン型のカッターを手に切り込みを入れるが垂直に切るのが難しい。また切ったつもりでも下まで貫通していなかったり。
一回目は初めてだったので慣らしということで終了。でも次回からはカットするパーツの大きさは小さくなりますからと言われた。本当に難しいのは今回だけであとは比較的楽なのかと一安心。
しかし二回目は単純ではないのです。
次のパーツは起伏が多いので、つまり山がたくさんありその間に窪地もある、全てがなだらかな傾斜とは限らないのです。
また比較的直線に近いライン・滑らかなラインは比較的カットしやすいのですが、そもそも自然の地形なのでそういうものはほんのわずか。細かくうねうねとしたラインをひたすらカットしてい作業を強いられます。ゴミみたいな小さなものもパーツです。
その日は貼り付け積み上げ作業も同時に行われました。カット作業の合間に積み重ねられたものを見ると少しずつ実感がわきます。
作業にも熱が入り真剣です。完成するのが楽しみになりました。
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